2026年10月31日(土)
おはようございます。清水です。SSSニュースレターの4号目をお届けします。
今号は、前号で予告していた広告動画の型5つの記事と導入の手順書、私自身の発言を集めた分身のテスト結果、そして世界のニュースの「この先」の答え合わせがそろいました。
ほかに、AI動画の動きの名前48個、動くLINEスタンプ、配信直前に発表された Gemini 4 Carbon など、今号の8本をお届けします。記事で使った手順書や一覧は、最後のプレゼントから受け取れます。
今号の目次

- 作る現場から:広告動画の型5つを、自分のパソコンのAIで作った
- 作る現場から:AI動画は「動きの名前」で狙いどおりに動く
- 作る現場から:絵が描けなくても、動くLINEスタンプは作れる
- 教えている現場から:私をコピーした分身は、私らしく答えたか
- 教えている現場から:売れない原因は、集客の前にある
- 世界のニュースから:6つの国を回った1週間と、「この先」の答え合わせ
- 今号のAIニュース3本
- 制作の裏側:止まる重い処理は、AIの外に出して流す
作る現場から
1. 広告動画の型5つを、自分のパソコンのAIで作った ― API代は0円
前号で「作っている途中」とお伝えした広告動画が、5本そろいました。受講生インタビュー・体験レビュー・3つのこと・寸劇・ランキングの5つの型を、自分のパソコンの中で動く動画のAI「MiniMax H3」で作っています。

外のサービスを借りず手元で回すので、1本ごとの料金がかからず、何本でも作り直せます。実際に動いた環境は次のとおりです。
- グラフィックボード:RTX 4070 Ti SUPER(16GB)
- メモリ:32GB
- AIのモデル:約42GB(はじめに1回だけ落とす)
公式にはパソコンの条件が数字で書かれていないため、記事では「公式の記載」と「実際に動いた環境」を分けて書きました。
導入の手順は、8ページの手順書にまとめています(下のプレゼントから受け取れます)。
2. AI動画は「動きの名前」で、狙いどおりに動く
AIに動画を作らせると、「もっとかっこよく」と頼んでも、思った動きになりません。映像の世界には、寄る・引く・回り込むのような動きの名前があります。名前で頼むと、AIも同じ動きを返しやすくなります。

そこで、カメラの動き24個とモーション24個、合わせて48個の名前を一覧にしました。使い方は3つの手順だけです。
- 一覧をAIに渡す
- AIが場面に合う名前を選んで作る
- 気に入らない所は、名前で直す(「ここはカウントアップで」)
試しに、自分のパソコンのAIでカメラの動き14本を作って見比べると、名前どおりに動いたのは7本、弱かったのは5本でした。どの名前が効きやすいかも、記事に書いています。
3. 絵が描けなくても、動くLINEスタンプは作れる
絵が描けなくても、Claude Code → Codex CLI → MiniMax の順につなげば、動くLINEスタンプが作れます。

コツは、24個まとめて作らないことです。使う場面を1つ思い浮かべて、1個ずつ作ります。たとえば「暑い日」なら、汗をかいている顔、のように、言葉と場面を一緒に決めます。
- Claude Code:使う場面から、絵の指示文を書く
- Codex CLI:その指示文で、スタンプの絵を描く
- MiniMax H3:絵の中のキャラクターだけを、3秒ほど動かす
- Claude Code の道具:吹き出しと文字を、あとから重ねる
できたスタンプを申請する画面も、4枚の画像で手順を載せました。まずは、あなたの大事なペットで1個作ってみてください。
教えている現場から
4. 私をコピーした分身は、私らしく答えたか ― 「似ている」と「好まれる」は別だった
講師を務めるAIエージェントのスクールで、前号の経営者に続き、私自身の講義と日誌を集めてAIに持たせた「分身」を作り、本当に私らしく答えるかを確かめました。

問題は、テスト用に取っておいた講義と日誌から作った10問です。分身と、何も持たせていないAIの両方に答えさせ、どちらの答えか分からないように伏せて採点しました。
- AIの採点(120点満点):分身が81点、何も持たせていないAIが72.5点で、分身の勝ち
- 私が選んだ方:何も持たせていないAIが6問、分身が4問
ただ、私が選んだのは「どちらが自分に似ているか」ではなく、「どちらの答えが好きか」でした。分身は講義の話し言葉に寄せていて、何も持たせていないAIは、整った文で答えていたからです。
つまり、判断の中身は分身の方が本人に近く、書き方は整った文の方が好まれたということです。そこで直す方針を、「中身は本人、形は好み」に決めました。判断と理由は私の講義から取り、答えの書き方は、短く認める → 要点を番号で → 具体例 → 次の一歩、の整った形にします。
5. 売れない原因は、集客の前にある ― 「誰に・何を約束するか」で決まる
毎朝オンラインで開いているコピーライティングの勉強会では、記事の書き方から一歩さかのぼり、3日かけて「誰に・何を約束するか」を扱いました。

いくら集客ができても、その先で「売れない」と詰まることがあります。原因の多くは集客ではなく、その手前の考え方にあります。考える順番は次のとおりです。
- ターゲット:年齢・仕事・家族、そしてお金を払ってでも解決したい悩み
- コンセプト:そのサービスを受けた結果、相手がどうなるか
- 集客の手段:相手がふだん見ている場所に合わせて選ぶ
中でも、コンセプトは途中で変えない方がいい。ターゲットは後から変えてもかまいません。けれど「買った結果どうなるか」が固まらないと、何を発信するかも決まりません。
実績として見せたいのも、何冊出したか・何の賞を取ったかではなく、買った人がどれだけ変わったかの数字です。まだ数字がなければ、モニターを募集して無料で提供し、数字を集めます。サービスを提供する練習にもなります。
立てたターゲットもコンセプトも、最初はすべて仮説です。仮説と検証をくり返して、少しずつ確かにしていきます。講義では、こう話して締めました。「誰に向けて何を発信してるかが99%」。
世界のニュースから
6. 6つの国を回った1週間と、「この先」の答え合わせ
毎日書いている世界のニュースは、今号の1週間で6つの国と地域を回りました。

- 10月19日 インドネシア:株価指数が1日で11.57%下がる(1998年以来の下げ幅)
- 10月20日 フランス:暴動が広がり、10年の国債の金利が4.79%から4.94%へ上がる
- 10月21日 ブラジル:大統領選の1回目の投票の翌日、株価指数が約7.7%上がる
- 10月22日 日本:高市政権の1年で、日経平均は49,185円から64,075円へ約30%上がる
- 10月23日 日本:EVの補助金の上限が、130万円から78万円に下がる
- 10月24日 アメリカ:長期金利が下がったのに、ナスダックは2.60%下がる
前号で予告した答え合わせです。記事の最後には毎回、「この先どう動きそうか」の読みを書き、5日後に数字で確かめています。最初に期日が来た2つの読みは、半導体の株価指数が下がる、は当たり(−3.43%)、日経平均が上がる、は外れ(−4.17%)でした。
AIニュース
7. 今号のAIニュース3本 ― 「Gemini の新しい最上位モデル」「手順書の標準」「データの置き場所」
① Google が、次の最上位モデル「Gemini 4 Carbon」を発表(10月28日)
前号でお伝えした Argon から、わずか2週間で出た後継です。AIの総合的な賢さを比べる指標(Artificial Analysis)で59点の1位になり、脆弱性の発見でも88.2%を出しています。
ただし、いまはセキュリティの専門家の一部にだけ公開されていて、私たちが使えるようになるのは「近く」とされています。今すぐ試せるのは Argonで、Gemini アプリの有料プラン(AI Pro・Ultra)から使えます。
② Anthropic が、AIに持たせる手順書の仕組み「Agent Skills」を中立の財団へ(10月22日)
Claude に手順書を持たせる仕組みを、Linux Foundation の下にある財団に渡しました。公開から1年足らずで、70を超えるAIの基盤が対応しています。特定の会社に縛られない、AIに手順を覚えさせる方法として残る形です。
③ Microsoft が、データを置く国や場所を選べるクラウドを広げる(10月20日)
機密のデータを国内に置いたままAIを使いたい会社にとって、選べる道が増える発表でした。
制作の裏側
8. 止まる重い処理は、AIの外に出して流す
1本目の広告動画を作っていたとき、動画のAIが、パソコンのメモリを30GB近く使うことが分かりました。

困ったのは、Claude Code に動画づくりを任せていると、メモリが足りなくなったときに、Claude Code が裏で動かしている処理を止めてしまうことです。
そこで、動画を作る処理だけをClaude Code から切り離して流すようにしました。
- Claude Code:指示を出して、できたかを見張るだけ
- 動画のAI:Claude Code の外で、最後まで走る
- 止まったとき:10分おきに見回り、できていない分だけを流し直す
この形にしてから、夜中に流した動画3本は、Windows の自動の再起動が来るまで止まらずに動き続けました。長い作業を任せるときは、重い仕事ほどAIに直接持たせず、外で走らせて見張らせるのが基本です。
清水のひとこと
今号の分身のテストで、私は自分の分身より、何も持たせていないAIの答えを選びました。似ていたのは分身でしたが、読みやすかったのは整った文の方だったからです。
私は、発信も「中身は自分、形は読む人に合わせる」のがいいと考えています。何を伝えるか、どう判断したかは自分のものです。けれど、どう見せるかは、読む人が受け取りやすい形を選んでいい。広告動画の型5つを作ったのも、同じ考えからです。中身は自分で考えて、見せ方は、すでに多くの人に届いている型を借ります。
次号の予告
- 作る現場から:Meta の「Muse」は何に使えるのか。使い方の全体像と、話題の個人情報の対策
- AIニュース:ダウンロードしたファイルの中で、Claude Code や Codex を起動しない方がいい理由
- 教えている現場から:「中身は本人、形は好み」で直した分身は、どこまで良くなったか
- 世界のニュースから:1週間の読みを、まとめて数字で答え合わせします
今号のプレゼント
今号の話に関係する道具を、まとめてお渡しします。登録などは要りません。リンク先からそのまま受け取れます。
今号の記事とつながるもの
- MiniMax H3 導入手順書:自分のパソコンで動画のAIを動かすまでの8ページの手順書
- AI動画の動きの名前48:AIに渡すだけで使える、カメラとモーションの名前の一覧
- 動くLINEスタンプ 指示文と道具のセット:1個目のスタンプを作るための指示文と道具
これまでのプレゼント(中身は、それぞれの受け取りページで見られます)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。感想や「これを取り上げてほしい」があれば、メールに返信してください。全部読んでいます。また来週の土曜の朝に。
清水 昴